November 12, 2006

初めてiPodを買う

自慢じゃないけど音楽とはほぼ無縁ともいうべき人生を歩んできて、ウォークマンも持ったことがない。

そんな私がiPodなるものを購入することになったのは、ひとえに「落語」を聴きたいと思ったからなのです。

買ったのは黒いiPod nano。ためしに志ん朝の「富久」のCDを買ってインポートしてみる。ちょうど通勤時間とぴったりということがわかり満足するが、さすがに1枚だけでは話にならない。紀伊国屋書店で数枚の落語CD,ついでに野坂昭如先生の復刻版を購入。さらにiTunesストアで、志ん生、文楽の名作を何点か「大人買い」(こちらは、CD1枚分が700円とお得感があることがわかった。さらにポッドキャスティングの無料版もダウンロードして、ラインアップを充実させた。

これで当分移動時に退屈する心配はなくなった。

ただ、音楽と違って口演への集中が必要で、歩きながらの鑑賞はやめたほうがよさそう。

また、思わず笑ってしまいそうになること数知れず...なので、電車の中で不審人物と思われなければいいが、と思っているしだいです。

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August 12, 2006

居残り佐平次 by 三遊亭円丈

木曜日は、プレゼンが1つ片付いて、その日中の仕事もなかったので6時に退社する決心をしました。
 といっても、約束も行くあてもないので思いつきで寄席に行くことにしました。いちおうネットでさくっと番組をチェックして、新宿末広亭に参りました。
 寄席というのは10日ごとに番組が変わります。月初から、上席、中席、下席とあり(31日は余一会)、木曜日十日は上席の最終日でありました。
 上席夜の部の主任(トリ)は三遊亭円丈師。新作の第一人者です。出演者にも、夢月亭清麿、柳家小ゑんといった落語協会新作派の面々が並びます。20年位前に落語ニューウェーブという感じで一世を風靡した方々です。私はとくにその方面に興味がないし、聴いたこともないのですが、中トリの川柳川柳(かわやなぎせんりゅう)師が大好きなので末広に決めたのです。
 7時過ぎに寄席に着くと、小ゑんが上がっているところでした。「ぐつぐつ」というおでんのネタがしゃべる噺で有名ですが、なにやらそれと似た感じの噺をしていました。
 終わって演者が代わるところで席に案内されました。前のほうになりますといわれ進んでいったのですが、演者の川柳師が早くも登場し、「なんだい、真ん中だけ空いてるのが気になるね。お、ちょうどいらっしゃいましたね、どうぞどうぞ」と、衆人注目のもとでの着席となりました。なにしろ席は、1列目中央、演者のマイクから2メートルも離れていない「かぶりつき」席です。「ちゃんと笑ってね。責任重いよ」といわれ、川柳師の話ではしっかり笑わせてもらいましたが、中入り後の五街道雲助師匠の噺の途中でウトウトしてしまいました。ごめんなさい。
 この日聴いた中では、柳家喬太郎師が面白かったです。人気が高いのがわかります。
 そして、トリの円丈師。この日のネタは「千秋楽ですので、一日くらいは古典をやりたい」ということで、なんとなんと「居残り佐平次」を聴けることになったのです。円丈師が古典というのも驚きですが、寄席で「居残り」なんて滅多に聴けるものじゃありません。川島雄三監督「幕末太陽傳」の原作の一つでもある郭ばなしの大ネタです。私自身も、ずっとずっと昔に志ん朝だったか談志だったで聴いて以来です。
 で、円丈の居残りですが、これがまた結構なものでした。大筋は本調子で、適当にアレンジも加わり、いかにも円丈らしい、笑いの多い話になっていました。
 帰宅後調べると.円丈さんは2005年に古典の封印を解いたとのこと。もともと円生の弟子で、二つ目時代までに130もの古典を持ちネタにしていたんだそうです。新作をやるに当たって、退路を断つ意味で古典を封印していたのを、昨年解禁にしたとのことでした。
 本人も古典の腕には自信があったようですが、「居残り佐平次」はトリ、そして楽日でなければ聴けなかったわけで、非常にラッキーな体験となりました。
 このように、「何が飛び出すかわからない」のが寄席の楽しみだと思います。あらかじめ、演者と演目が決まっているホール落語と、そこが違うところです。落語以外に、いろいろ色モノが入るのもよいところで、この日の伊藤夢葉の奇術、仙三郎社中の太神楽ともによかったです。
 トリの円丈師は、普段どおりワッペンつきの派手な着物での登場でしたが、カウントダウンのもとでメガネをはずし、三遊亭伝統の「くずし橘」の紋付羽織に着替えるというのも、客席と一体感があって楽しかったです。
 円丈さんのHPによれば、このアトラクションもこの日が初めてのようで、歴史的一瞬に立ちあったのかもしれないなぁ。
        ↑8月10日のところを読んでください。

 8月下席は川柳師がトリとのこと。これは、歌がいっぱいで楽しいこと請け合いなので、また行ってしまいそうです。

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